QDT 2024年8月号
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図1 テンポラリーレストレーション。図2 プロビジョナルレストレーション。Feature article #2QDT Vol.49/2024 August page 086434■TemporaryとProvisional どちらの言葉も辞書で調べると「暫間的な」という訳がされている。しかし、同じ暫間的なという表現をしても、その内容には大きな差がある。Temporaryとは、単に「一時的な、臨時の」という意味合いが強く、テンポラリーレストレーションとは単に一時的なスペースメインテインおよび支台歯の保護に用いられる修復装置である。したがって、言い方は悪いが「とりあえずの■プロビジョナルレストレーション プロビジョナルレストレーションとは、最終補綴装置(Final Restoration)に移行する前に、最終補綴装置に与えられる機能と形態が歯周治療・咬合治療・予防治療、そして生理的・審美的などのさまざまな側面から口腔内に適応するかを観察し、再考察を行い、最終補綴装置に反映していくために用意される修復装置であ仮歯」であり、これを長期に使用すると「レジンの摩耗、セメントの溶解による冷水痛、二次う蝕」を招く恐れがある。 Frederickによると、Provisionalには最終補綴装置により良い環境や条件を「“Pro”(前もって)用意し、“Vision”(視覚的観察)し提供する」という意義が明確に指摘されている。る。 材料的にはレジンを用いるが、機能と形態、そして生理的・審美的観点からも最終補綴装置と同様のものが与えられた治療用修復装置であり、診断のためのツールでもある。プロビジョナルレストレーションの役割

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