19※書籍ではこの後、「文献にみる各種フィニッシュライン形態とその傾向」「文献にみるセラミック修復装置に求められる厚さ」「形成デザインがトゥースフレスチャーコントロールに及ぼす影響」と題して多数の文献をもとにした考察を行っています。(編集部)『イノベーション・オブ・ラミネートベニア』出版記念企画:前歯部ラミネートベニア形成デザインの分類とデジタルラミネートベニア症例紹介(前編)してClass VIIとしてサンドウィッチデザインのラミネートベニアをそれぞれ示す。図2はDr. Edelhoff Dのラミネートベニアに関する文献1であるが、ここで用いるミディアムラップやロングラップなどの呼称はこちらの文献で紹介されたものによった。 Dr. Edelhoffは、コンタクト部分を含まない隣接面と唇側面を被覆するラミネートベニアをShort Wrap、コンタクトポイントおよびコンタクトエリア内に隣接面マージンラインを設定するデザインをMedium Wrap、コンタクトポイントも抜いて隣接面を舌側まで延長したものをLong Wrapとして紹介されている(図3)。筆者はこれに付け加えて、アディショナルベニア、フルラップラミネート、パラタルラミネートベニアそしてサンドウィッチベニアを追加して前歯部ラミネートベニアデザインの分類とした。 それぞれの支台歯形成デザインの適応症について、 図6に示すとおり、筆者はフェザーエッジ形成(バーティカルプレパレーション)がラミネートベニア修復治療に適したものであると考えている。そこで本項では、この支台歯形成デザインとデジタル技術の親和性について述べていきたい。 光学印象採得を行うにあたり、鋭角が鋭角として再現されない「エッジロス」という現象が避けられないことは書籍のChapter4で詳説している。そこにおいて、線角を丸めるといった工夫によってエッジロスを避けることは当然であるが、究極的には「エッジそのものを作らないこと」、すなわちフェザーエッジでフィニッシュラインを仕上げることが最大の対策になるといえる。 その考えに至る端緒となったのが、Loi I2が2013年に発表したBOPT(Biologically Oriented Preparation Technique)である(図7)。本法は、従来のように「歯肉縁下の特定の深さに水平的なフィニッシュラインを設定する」ものではなく、ナイフエッジのような移行的な形態を歯肉縁下に付与して印象を行い、ラボサイドで適切な位置にフィニッシュラインを設定する、という「バーティカルプレパレーション」という手法の一種である。その例を図8に示す。本図では、もっとも深い位置で印象が採られている部分をブルーのラインで印記し、歯肉縁のラインを黒で印記して、その上で歯科技工士が設定したフィニッシュラインが赤色のラインで示されている。この、黒のラインとブルーのライン表1に示す。各材料メーカーのカタログには、メーカーが推奨するデザインが掲載されているが、多くのメーカーがマージン部が比較的厚いデザインを推奨している。図4はIvoclar Vivadent社のIPS e.max CADのカタログからの引用だが、本材料に関してはマージン部分の厚みが0.4〜0.6mmのラウンドエンドショルダーまたはディープシャンファーを推奨している。また図5にはクラレノリタケデンタル社のカタナジルコニアブロックのテクニカルガイドから引用した図を示すが、こちらでも薄いナイフエッジのデザインは禁忌とされている。これらの、メーカーの推奨する形成デザインは主に「修復装置が割れない」ことを前提に考えられたものであり、これらが接着性セラミック修復治療のコンセプトに合致したものであるとは考えにくいのが正直なところである。QDT Vol.49/2024 September page 0959フェザーエッジ形成(バーティカルプレパレーション)とデジタル技術の親和性1)Loi Iによる「BOPT」
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