b図1a、b 初診時の顔貌と口腔内。臼歯部の長期的な欠損により臼歯部顎堤が安定していることもあり、前歯部抜歯後も即時義歯にて臼歯部での咀嚼機能を見込めた。将来的なインプラントオーバーデンチャーの可能性も考慮した長期的な関係になることを説明した。QDT Vol.49/2024 October page 1135BioFOReによる部分的欠損症例の即時義歯製作について、①初診、②義歯製作、③抜歯・新義歯セット、④粘膜調整材による顎堤吸収分の補填、⑤リベースによる仕上げ、の流れに沿って供覧する。2a2b3aa2c3b73第4回(最終回) BioFOReの臨床ケース1)初診患者は40代の男性。長期的な咬合崩壊による口腔機能不全の改善と審美の回復を希望し来院。患者の希望をもとに、生活改善を目標として、口腔外科での抜歯と総義歯治療を行う計画となった。2)概形模型製作→クラスプ付き咬合床製作図2a~c 概形模型製作。図3a、b クラスプ付き咬合床製作。 この項ではBioFOReによる部分的欠損症例の即時義歯製作について、・初診・BioFORe製作法の手順で義歯製作・抜歯・新義歯セット・粘膜調整材(ティッシュコンディショナー)による顎堤吸収分の補填(約8ヵ月間)・リベースによる仕上げの流れを図1~12に供覧する。 即時義歯診療は患者の口腔人生のターニングポイントにもなりうる診療で、抜歯の本数が多ければ多いほど顎堤の吸収度合いやパターンが複雑に絡み合い、義歯製作も難しくなる。故に、初診時にしっかりとしたインフォームドコンセントを行うことが必須である。デンチュリストである筆者は、歯科医師との協力体制のもと義歯診療・製作・術後の調整を担当している。
元のページ ../index.html#6