ザ・クインテッセンス7月
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109 咬合や機能的問題および欠損状態や要治療歯を放置した場合など,さまざまな要因によりTooth Positionは経時的に変化していく(表1).こういった変化が生理的・加齢的なもので,口腔内の諸般のバランスが保たれていれば加療対象とはならないだろう.しかし,修復を行う必要が生じた場合,この変化は時に大きな障害となり,治療結果を乏しいものとしてしまうときがある.シリーズ:その根拠はなんだ?Tooth Positionの改善がもたらすメリットを探るなぜ,ここで矯正治療が必要なのか?東京都開業 上野歯科連絡先:〒176‐0012 東京都練馬区豊玉北1‐2‐17‐1F上野博司Considering the Benefits of Improvement in Tooth Position: The Definite Reasons of Orthodontic TreatmentHiroshi Uenoキーワード:Tooth Position,矯正治療,補綴治療Tooth Positionの変化による影響と改善によるメリットを探る1図1 術前.₅₅が埋伏しており,₇₆₆₇が近心傾斜して咬合高径の低下と下顎位に問題を惹起していた.図2 術後.矯正治療のみを行い,これらの問題を解決したが,それ以外の方法では解決し得なかったであろう.表1 歯が移動してしまう主な要因①機能的問題(筋力や軟組織による影響)②歯周病③習癖④咬耗や摩耗によるもの⑤咬合力⑥欠損状態⑦下顎位に問題がある場合⑧要治療歯を放置したことに起因するものthe Quintessence. Vol.32 No.7/2013—1481

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