ザ・クインテッセンス 2015年12月
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68the Quintessence. Vol.34 No.12/2015—2574VISTA新しい根面被覆術Vestibular Incision Subperiosteal Tunnel AccessはじめにResearch Associate, Periodontology, Diagnostic Science and Dental HygieneLaboratoty for Immunoregulation and Tissue EngineeringUniversity of Southern California連絡先:925 34th Street Los Angeles California 90089, USA閔 成弘(Seiko Min)Seiko Minキーワード:歯肉退縮,インプラント周囲組織,根面被覆術A New Surgical Approach to Cover Exposed Root Surface—VISTA(Vestibular Incision Subperiosteal Tunnel Access) 現在,米国やヨーロッパの学会では,天然歯やインプラントに対する軟組織移植術の発表が数多く見られる.また,その研究も数多く行われており,新たなエビデンスが日々増えている.このことは,“歯肉またはインプラント周囲組織”が天然歯やインプラント治療の良好な長期的予後を左右する重要な因子だと認識されている証左であろう. 歯肉退縮やインプラント周囲組織に対する根面被覆術,また軟組織移植術にはさまざまな術式があり,治療対象歯の数,歯肉のバイオタイプ,患者の審美的要求,歯槽骨形態などによってこれらを適切に使い分ける必要がある. 本稿で紹介する VISTA(Vestibular Incision Subperiosteal Tunnel Access)は,軟組織移植術の最新術式で,多数歯の歯肉退縮,インプラント周囲組織に対して効果的かつmini-mum invasive approachであることから,現在,米国,ヨーロッパで大きな話題になっている.そこで今回は,VISTA の特徴,術式,理論を紹介し,その有用性について症例を提示しながら論じてみたい.の提案FEATURE特 集 2
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