ザ・クインテッセンス 2015年12月
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Skill小児歯科Up20Under小野芳明はじめに 4月号から小児歯科のSkill-upについてこれまで解説してきました.今回は多くの皆さんが小児の歯科診療を行う際にもつ疑問について,連載でカバーしきれなかった項目や簡単にしか触れられなかった項目について「小児歯科の困りごとQ&A」と題して,お答えします.Q1 いかにおとなしく治療を受けさせるか? このことで多くの先生がお困りだと思います.小児歯科でこれが実現できれば治療の9割は成功と言えます.子どもに大人しく治療を受けさせることは,保護者や術者・スタッフの共同作業です(図1).子どもが治療に多少不安をもっていても,前向きに治療に向き合えるよう行動を誘導(行動誘導)してゆくことが重要です.このためには,まず子どもが周囲の世界をどのように理解し,行動しているのかを知ることがスタートとなります. 子どもはその周囲世界をその知覚(主に視覚と聴覚)を通じて理解しています.そのため子どもには笑顔で対応し,子どもへの話しかけは,ゆっくり・低めの声・中程度の音量で行います.術者やスタッ9小児歯科の困りごとQ&A(最終回)元 東京医科歯科大学大学院小児歯科学分野連絡先:kuniono2@gmail.com連載目次♳小児への対応法1:小児の行動に影響する要因♴小児への対応法2:認知誘導による具体的対応♵保護者への対応法♶う蝕予防♷小児の根管治療♸小児の外傷への対応♹小児の顎関節症⓼小児の医療事故防止9小児歯科の困りごとQ&A■子どもを大人しく治療させるのは共同作業図1 「小児歯科治療の三角形」といわれる図.小児の歯科治療成功は,この三要素を相互に効果的に作用させることにある.149the Quintessence. Vol.34 No.12/2015—2655

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