ザ・クインテッセンス 2016年1月
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第66回国連総会政府高官会議における非感染性疾患の予防と制御に関する政治宣言(図1)Political Declaration of the High-level Meet-ing of the General Assembly on the Preven-tion and Control of Non-communicable DiseasesWe, Heads of State and Government and representatives of States and Governments,(中略)19. Recognize that renal, oral and eye diseases pose a major health burden for many countries and that these diseases share common risk factors and can benet from common responses to non-communicable diseases;われわれ,加盟国の国家元首および政府代表は,(中略)19.多くの国で,腎臓,口腔,眼の疾患が,主要な健康負荷になっており,これらの疾患が非感染性疾患への共通のリスク因子を併せ持っており,共通の反応より,恩恵を受けることができることを認識している.CONTENTSはじめに̶コモンリスクファクターアプローチの最近の動向と歯科からの情報発信 埴岡 隆Column:コモンリスクファクターアプロ-チ:WHO口腔保健の取り組み 小川祐司①タバコ対策からコモンリスクファクター対策へ 川口陽子②歯科でのたばこ対策の現状と課題 小島美樹③歯科領域が原因の菌血症のメカニズム 花田信弘おわりに 埴岡 隆??この宣言の意味は? NCDが死因に占める割合は,今後10年間で77%にまで増加するとの予測もあり,世界保健機関(WHO)では,「非感染性疾病への予防と管理に関するグローバル戦略」(2008~2013年)を策定するほか,2011年には国連におけるハイレベル会合でNCDが取り上げられるなど,世界的にNCDの予防と管理を行う政策の重要性が認識されている.今後,WHOにおいて,NCDの予防のための世界的な目標を設定し,世界全体でNCD予防の達成を図っていく.(健康日本(第2次)の推進に関する参考資料より)Oralが書き加えられたことの意義は? 政治宣言に参加している日本でも,口腔疾患とNCDの共通のリスク因子の対応から恩恵があるというNCD対策の歯科での健康推進は重要である.したがって,日常歯科診療での目標設定なども今後検討されるべきである.105the Quintessence. Vol.35 No.1/2016—0105
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