ザ・クインテッセンス 2016年3月
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リバスクラリゼー FEATURE特 集 3宮城県開業 岩谷歯科医院連絡先:〒983‐0014 宮城県仙台市宮城野区高砂1‐1‐15 高砂関弐番館307号岩谷眞一Reconsideration of Pulp RevascularizationShin-ichi Iwayaキーワード:リバスクラリゼーション,根未完成歯,根尖病変,歯髄再生,長期経過,自然治癒 リバスクラリゼーション(revascularization)とは,歯髄壊死に陥った根未完成歯において血管再生が起こることにより血流が回復することを意味している.このとき,歯根は根管壁の厚みを増しながら成長していく. 2013年に東京国際フォーラムで開催された第9回世界歯内療法会議において,Hargreavesが歯髄再生に関する基調講演のなかでリバスクラリゼーションを解説されてから,本邦でもこの問題への関心がにわかに高まってきている. 2001年に筆者らは世界に先駆けて根尖病変をともなう根未完成歯におけるリバスクラリゼーションの症例を報告した1(➡文献1の解説).その後,2011年に同様な症例の長期経過について報告した2.最初の症例報告に対し,海外ではパラダイムシフトが起こったとの評価を得て,いくつかの教科書にその内容が掲載された3~5. 本稿では自験例のなかから,リバスクラリゼーションが成功した症例とそれでは対処できなかった症例を提示し,この治療法における課題点を探ってみたい.文献1のミニ解説Iwaya S, Ikawa M, Kubota M. Revas-cularization of an immature permanent tooth with apical periodontitis and si-nus tract. Dent Traumatol 2001 ; 17 : 185-187. 根尖病変をともなう根未完成歯におけるリバスクラリゼーションの最初の症例報告.失活した根未完成歯の治療法がブレークスルーするきっかけになった論文である.詳細は症例1として本稿に記載されている.はじめに84the Quintessence. Vol.35 No.3/2016—0572
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