ザ・クインテッセンス 2016年4月
3/8
再度の連載にあたって 本誌2013年10~12月号に「20年経過300症例から歯の保存を考える」として連載した1.自身の行った臨床の長期術後経過から,歯の喪失原因について探り,今後に生かしたいと考えてまとめたものである. 長期にわたる歯の保存を考えるとき,歯周病や歯根破折といった喪失の直接原因(一歯単位の見方)について考えるだけでなく,患者の個体差(口腔単位での見方)や個人差(患者要素をみること)も考慮しなければならないことを述べた. 個体差については,その第2回で歯周病患者の個体差について取り上げたが,欠損進行にともなう残存歯の負担増が,どの程度歯の喪失を進めるのかもみていく必要があると考え,個体差に関することの1つとして「欠損形態と歯の喪失」を調べてみることにした.これまでもいわれてきたように2,残存歯の数と配置により欠損進行の傾向に差があることは間違いないが,長期経過例を整理することで見直してみたいと考えたためである. また,それにより,自家歯牙移植やインプラント利用などの欠損改変を,どの場面でどのように応用するのかもみえてくるのではないかと期待した.59the Quintessence. Vol.35 No.4/2016—0785
元のページ