ザ・クインテッセンス 2016年5月
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良好なマージン適合を得るには? 歯冠修復治療の目的は,「長期間にわたって,治療後の状態を維持し続ける」ことである.形態,色調が患者の口腔内と調和した審美的な歯冠修復物であったとしても,適合が悪ければ,その目的を達成することはできない. 適合が悪いと,マージン部分にプラークが溜まり,二次う蝕になる可能性が高くなる.そして,歯周病を惹起させることになり,修復物が壊れることはなくとも,支台歯と周囲組織に問題が起きて,再治療しなければならなくなる. 修復物と支台歯のマージン適合を高めるためには,支台歯のフィニッシュラインがスムーズで連続性があり,明瞭でなければならない.そして,周囲組織を侵襲しない位置にフィニッシュラインを設定しなければならない(図1). マテリアルによって,「マージン形態」,「フィニッシュラインの設定位置」が異なるので,それぞれについて解説していく.京都府開業 クボタ歯科連絡先:〒606‐8103 京都府京都市左京区高野西開町41 デリード北大路104窪田 努Part3 : The Goal of "Good Margin Fit" is "Finish Line"Tsutomu Kubotaキーワード: マージン,フィニッシュライン,歯肉圧排,拡大診療第3回 マージン適合を左右するフィニッシュラインBasicforAdvance図1a~d スムーズで連続性のある明瞭なフィニッシュラインが形成されており,CAD上でも再現されている.フィニッシュラインを歯肉縁下に設定したが,歯周組織と調和している.最終補綴物(ジルコニアフレーム・レイヤリング法)のマージン適合は良好である.Digital Dentistry時代に見直したい歯冠修復治療本連載は奇数月に掲載abcdMovieスマホで動画が見られる!(使い方:P3参照)P225222the Quintessence. Vol.35 No.3/2016—1194

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