ザ・クインテッセンス2021年7月号
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ClinicalCaries Managementカリエスマネジメントを,臨床的に解説する連 載206the Quintessence. Vol.40 No.7/2021—1830た後に,患者の歯の咬合面にどのような変化がおきる可能性があるのかを知っておくことは大事である.そこで筆者は,2019年に自院のデータベースで以下のような検索を行った.検索条件は7歳から12歳まで毎年メインテナンスに来院した者とした.検索で選出された対象者の第一大臼歯の咬合面の変化を今回の調査対象とし,該当した54名の第一大臼歯216歯を口腔内写真と診療記録をもとにして調べた(図1).調査歯数は,延べ1,296本である. その結果,裂溝に色調変化がなかった健全歯は約5割で,色調変化があった歯は,シーラント済みはじめに 前回は,咬合面裂溝の色調変化とう蝕についての解説をした.今回は,咬合面の裂溝に変化を認めないう蝕,いわゆるHidden cariesについて解説する.咬合面の色調変化の有無(医院データベース検索から) 歯科医院で適切にカリエスマネジメントを実施し杉山精一千葉県開業 杉山歯科医院連絡先:〒276‐0027 千葉県八千代市村上団地1‐53キーワード:Hidden caries,裂溝の色調変化,Pre-eruptive Intra-Coronal resorption(PEIR)咬合面う蝕のカリエスマネジメント2 Hidden caries第7回第1回 カリエスマネジメントの目指すところとは?第2回 カリエスマネジメントの成果第3回 カリエスマネジメントの実際 ICDAS編第4回 カリエスマネジメントに必要なフッ化物の知識第5回 カリエスリスクアセスメント第6回 咬合面う蝕のカリエスマネジメント1第7回 咬合面う蝕のカリエスマネジメント2 Hidden caries第8回 咬合面う蝕のカリエスマネジメント3 シーラント第9回 MIH(Molar Incisor Hypomineralization)第10回 隣接面のカリエスマネジメント第11回 前歯部および平滑面のカリエスマネジメント第12回 根面う蝕連載目次(予定)

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