ザ・クインテッセンス 2021年10月号
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辺見浩一東京都開業 恵比寿ヘンミデンタルオフィス連絡先:〒150‐0021 東京都渋谷区恵比寿西2‐2‐8‐4FKouichi Henmiキーワード: 歯髄保存,患者説明,深在性う蝕An Explanation to a Patient for a Vital Pulp Therapy Based on the Decision Tree44the Quintessence. Vol.40 No.10/2021—2434 深いう蝕のある歯の歯髄を保存することは,われわれ歯科医師の命題であり,だれもがその重要性を認識している.近年,ヨーロッパ歯内療法学会(以下,ESE),米国歯内療法学会(以下,AAE)の2つの学会から歯髄保存治療のポジションペーパー(基本治療指針)が発刊され,徐々に根拠に基づいた手法が整理されてきている1,2. しかし,それでもなお歯髄保存治療は,診断から治療選択まで,さまざまな場面で“あいまい”な基準を許容しなければいけない治療分野であり,実際の臨床では,多くの場面で術者自身の裁量と患者の訴えによってその治療方針が決められている.このような背景があるからこそ,必要になるのが“患者説明のスキル”である(図1).現在では,歯髄保存の有益な部分の情報のみが独り歩きしてしまい,患者に伝わってしまっている.一方でわれわれ歯科医師は,残せる歯髄,残せない歯髄があることを知っている.そして,歯髄保存だけではなく,抜髄も“歯”の重要な保存治療の1つである. 本稿では,このような情報の乖離を埋め,患者,歯科医師双方が納得のいく治療を選択し,最終的には“歯髄”を保存することだけを目的にするのではなく,“歯”の保存を目的とし,おいしく食事が摂れる口腔内を取り戻すために,どのように患者に説明し,治療を行っていくかを考察していきたい.はじめに:患者説明は歯髄保存の1スキル特 集 1ディシジョンツリーに則った!歯髄保存の患者説明

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