ザ・クインテッセンス 2021年11月号
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の高さがうかがえる2. 本稿では,昨今,論文等で頻繁に用いられている,根面被覆術の新たな評価方法である“Root coverage Esthetic Score(以下,RES)”の紹介と審美的結果を得るためのポイントおよび審美的合併症について述べたい.表1 本稿で用いられる主な略語とその解説本文で用いられる略語正式名称CEJCTGFGGMCAFMGJNCCLPMTRESVISTA◆さまざまな術式における根面被覆術の平均根面被覆率の軟組織の審美性も注目されており,より質の高い治療が模索されている. 2018年に行われたAAP(米国歯周病学会)/EFP(ヨーロッパ歯周病連盟)のワールドワークショップで発表された歯周病の新分類において,軟組織の審美についての評価が加えられていることからも,その関心セメント-エナメル境Connective Tissue Graft上皮下結合組織移植術Free Gingival Graft遊離歯肉移植術Modified Coronally Advanced Flap改良型歯肉弁歯冠側移動術MucoGingival Junction歯肉-歯槽粘膜境Noncarious Cervical Lesion非う蝕性歯頸部歯質欠損Phenotype Modification Therapyフェノタイプ改善療法Root coverage Esthetic ScoreVestibular Incision Subperiosteal Tunnel Access解説─口蓋歯肉の上皮と骨膜の間から結合組織移植片を採取し移植する術式口蓋歯肉から上皮付き移植片を採取し移植する術式歯肉弁を歯冠側に位置づけ,露出根面を被覆する術式.縦切開を加えないものを改良型と呼ぶ─歯肉退縮と併発していることが多い.欠損の位置や深さにより分類される歯肉移植により歯肉の厚みを増すなどのフェノタイプを改善する治療根面被覆術の術後の審美性を数値化し評価するシステム口腔前庭に加えた切開から骨膜下にトンネルを形成し,スーチャーボンディングにより歯肉を歯冠側に位置づけるテクニック図1 日々改良され,進化する術式とその根面被覆率の平均値を示すグラフ.取り上げられた論文すべての平均値を見ると,根面被覆率が徐々に上がっており,ますます予知性の高い治療となっていることがわかる(参考文献1より引用・改変).the Quintessence. Vol.40 No.11/2021—268533(%)1009590858075706560555045401990根面被覆率の平均値(%)19921994199619982000200220042006200820102012201420162018(年)

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