ザ・クインテッセンス 2022年1月号
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脱水,擦過,浸透圧あるいは化学的刺激に対する反応として露出象牙質に誘発された短く鋭い痛みを特徴としている.さらに,象牙質の欠損や病理学的な原因では説明できないもので,細菌が関与する疾患とは異なるものとされている.この象牙質における知覚過敏は,日常の生活における不快事項であり,患者のQuality of Lifeへの影響因子ともなる1.すなわち,象牙質における知覚過敏は,私たちの生活においても軽視すべき課題ではなく,その要因の究明とともに,対処法について明確にすべきものとされている. 一方,象牙質知覚過敏に対する確実な処置法は確立されておらず,これは発症原因がいまだに明らかにされていないことに起因するものと考えられる.さらに,象牙質知覚過敏症は単一の病態ではなく,症状に基づく病名であることも,これを理解することを困難にしている. 本稿においては,象牙質知覚過敏の基礎的事項から臨床における対処法について,最新の情報を交えて記述する.とくに,市販されている多くの知覚過敏抑制材に関しては,これらをまとめて表とすることで,それぞれの特徴を理解することを意図しているので,ぜひとも臨床にご活用いただきたい.the Quintessence. Vol.41 No.1/2022—006161できることScience & Art

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