ザ・クインテッセンス 2022年2月号
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8STEPでつくる患者の顎運動を反映した咬合面形態の製作 顎運動測定器を用いて計測した顎運動から,顆頭の挙動を三次元的に精密に把握し,その情報をもとに調節性咬合器を患者の顎運動を再現するよう調節して,患者の顎口腔機能に合った補綴装置製作につなげていく.このような試みは,近代歯科の時代から現在まで,さまざまな工夫とともに発展してきた1〜11.そして,昨今,大きく進展したデジタル技術によって,複雑で難解な下顎運動や咬合状態を容易に可視化12することができるようになり,その解明に大きく寄与しているといえる. また,CBCTやMRIを用いた顎関節の評価13〜16や,セファロ分析を利用した顎顔面の診断,骨格に応じた咬合高径や咬合平面の設定17,18など,さまざまな角度から顎位や顎運動について評価できるようになり,それらは治療計画を立てるうえで有用な情報となっている. しかし現状では,計測したデータから咬合面形態を直接的に設計するというシステムまでは完成しておらず,検査結果と実際の治療行為との間にはまだ34佐々木 猛*1,*2/水野秀治*1,*2/風井英毅*2/筒井 佑*1/松井徳雄*2*1医療法人貴和会 新大阪歯科診療所連絡先:〒532‐0003 大阪市淀川区宮原3‐4‐30‐9F*2医療法人貴和会 銀座歯科診療所連絡先:〒104‐0061 東京都中央区銀座6‐9‐8‐7FFabrication of Occlusal Surface with the Use of Functional Mandibular MovementTakeshi Sasaki, Shuji Mizuno, Hideki Kazai, Tasuku Tsutsui, Tokuo Matsuiキーワード: 顎運動,咬合面形態,デジタル,コーピング,プロビジョナルレストレーション, ジルコニアレストレーションthe Quintessence. Vol.41 No.2/2022—0292 MovieP40,41,43,44,47(使い方:P7参照)スマホで動画が見られる!特 集 1はじめに患者1人ひとりに,真に調和した咬合を目指してデジタル時代の!

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