ザ・クインテッセンス 2022年2月号
2/9

大きな乖離があると思われる.今後のさらなる究明により,眼科における視力検査や眼底,眼圧検査のように,検査結果から正確な診断を行い,適切な矯正レンズが決まるというような,検査と治療行為が一体となった治療体系の開発に期待するところである. 本稿では,筆者らが臨床で実践している,患者の顎運動を記録し,得られた情報をCAD/CAMを用いて直接,上顎の補綴装置の咬合面形態に反映する方法について,治療の流れに沿って具体的に解説したい.本稿の内容を理解することで,患者1人ひとりに真に調和した咬合面形態を科学的(正しいトレーニングを積めば,誰が行っても同じ結果が得られる)に製作することができ,治療結果の長期的安定に寄与することが期待できる.the Quintessence. Vol.41 No.2/2022—029335下顎歯の補綴装置を製作する偏心運動時の臼歯部離開を確保する本稿ではまず,顎運動を利用した咬合面形態の製作法をステップごとに解説し,その後,術式の特徴やポイントを解説します.上顎歯のファイナルプロビジョナルレストレーションを製作する上顎歯のコーピングの咬合面上に顎運動時の下顎歯咬合面の運動経路を記録する上顎歯の精密印象を採得し,顎運動記録用のコーピングを製作する最終補綴装置(ジルコニア)を装着するSTEP6の情報を,最終補綴装置へ完全にコピーする上顎歯のファイナルプロビジョナルレストレーションを一定期間使用するSTEP 1顆頭安定位における安定した咬頭嵌合位を確立し,STEP 4STEP 3STEP 2STEP 7STEP 6STEP 5STEP 8顎運動を利用した咬合面形態の製作法 8STEP

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る