A Consideration of Ideal Treatment Planning for an Anterior Cross-Bite Case using Prosthodontic and Or-thodontic Treatment by General Practitioners30Hiroshi Uenoキーワード: 反対咬合,補綴治療,矯正治療,アンテリアガイダンス上野博司東京都開業 上野歯科連絡先:〒176‐0012 東京都練馬区豊玉北1‐2‐17‐1Fthe Quintessence. Vol.41 No.3/2022—0542多くの歯を失っている人に比べ長寿である2. 口腔の健康を担う歯科医療従事者にとって,さらなる超高齢社会へと変遷していく今後,この健康寿命にかかわることについておおいに考慮すべきであろう.高齢者の心身のコンディションと歯科的な健康度合いとの関連は,今後さらに注目されると思われる.長期にわたって良好な口腔環境を持つ方には果たしてどんな特徴があるのだろうか?はじめに特 集 11)健康寿命と口腔環境 昨今,「人生100年時代」の到来についてよく見聞きするが,西暦2000年にWHO(世界保健機関)が健康寿命を提唱1して以来,単に寿命を延ばすだけではなく,いかに健康的に生活できる期間を延ばせるかへの関心が高まっている.いわゆるQOLの向上と食生活,とくに自身の歯でおいしく食物を咀嚼して摂取できるということは,この健康寿命と密接にかかわっており,まさに長寿人生を楽しむうえで必須の要件といえよう. 日本人の平均寿命と保有歯数との関係には明らかな相関がみられ,歯の数を十分保持している人は,2)“8020達成者に反対咬合はいない” 健全な顎口腔系において,重要な鍵はアンテリアガイダンスにありそうだという臨床実感がある.健全な顎口腔系を長年にわたって保っている高齢者の口腔には,多くの場合しっかりとしたアンテリアガイダンスが備わっていることに気がつく.茂木らの矯正&補綴を用いた治療計画により理想的なゴールをめざすGPが取り組む反対咬合へのアプローチ
元のページ ../index.html#1