◆義歯製作数と新製義歯に対する修理・裏装数の割合2013(西暦)20122011201020092008200720062005200420032002200120001999199819971996201320122011201020092008200720062005200420032002200120001999199819970199600◆欠損を有する患者の割合と義歯患者の絶対数図1 欠損を有する者の割合の年次推移.(歯科疾患実態調査より引用改変)図2 部分床義歯患者の絶対数の推移3.中年の患者数は減ったが(赤矢印),75歳以上の患者数は増えており(青矢印),総数ではあまり減少していない.図3 全部床義歯患者の絶対数の推移3.75歳以下の患者数が減り(赤矢印),総数も減少しているが,85歳以上は逆に増えている(青矢印).図4 義歯製作数の推移4.いずれの欠損歯数も減少傾向である.図5 新製義歯に対する修理・裏装数の割合の推移4.修理・裏装の割合は増加傾向である.531)高齢者ほど「使い慣れた義歯」を使いたい 図1〜3に示すように,欠損を有する患者の割合は減っているが,義歯患者の総数はあまり減っていない(とくに部分床義歯患者)3.これは高齢者の絶対数が増えているからであり,当分は義歯のニーズは減らないことを表している.さらに,このような高齢義歯患者は,口腔ケアが十分ではない場合も多く,歯周病や根面う蝕が多く,さまざまな全身疾患も抱えている難症例である.総義歯に関しても,限界まで歯の保存を行うため,顎堤吸収が高度で,口腔乾燥のあるような難症例が増えている3. このような状況で,義歯の新製は減っている(図4)一方で,修理とリラインの割合は増えている(図5)4.これは,高齢者はなかなか新義歯に慣れない(千人)3,5003,0002,5002,0001,5001,00050015~(千人)3,5003,0002,5002,0001,5001,00050015~1.61.41.210.80.60.40.201~4歯5~8歯9~11歯12~14歯総義歯(西暦)H17 18,929(千人)H23 18,151(千人)H28 16,470(千人)20~25~30~35~40~45~50~55~60~65~70~75~80~85~(歳)H17 11,088(千人)H23 9,146(千人)H28 7,833(千人)20~25~30~35~40~45~50~55~60~65~70~75~80~85~(歳)修理裏装図1図2図3(%)10090807060504030201005~910~15~20~25~30~35~40~45~50~55~60~65~70~75~80~85~(年齢)(件数)700,000600,000500,000400,000300,000200,000100,000the Quintessence. Vol.41 No.3/2022—0565H28H23H17H11H51.なぜ,適切な義歯のケア(管理)が必要なのか
元のページ ../index.html#4