ザ・クインテッセンス 2022年3月号
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窪田 努The Best Way to Take Digital Impression:3 Framework Scan for the Scanning Data Which Look Like a Well Standarlized Stone Modelthe Quintessence. Vol.41 No.3/2022—0587クボタ歯科連絡先:〒606‐8103 京都府京都市左京区高野西開町41‐104Tsutomu Kubotaキーワード: デジタル印象採得,IOS,3Framework Scan片野潤氏と筆者による,2021年12月刊行書籍『とことんIOS─見て学ぶ 誰でも速くキレイに撮れる口腔内スキャナー』75P80,82~87,89(使い方:P3参照) より安全で,確実性の高い診療を行うためにデジタルを活用しようと,10年以上前にDigital Den-tistryが登場した.近年は,患者の口腔内をデジタル化する入り口として,口腔内スキャナー(Intraoral Scanner:IOS)が多くのメーカーから発売され,注目を集めている. そしてIOSは現在,ジルコニアセラミックスを用いたCAD/CAM補綴,インプラント治療におけるガイデッドサージェリー,アライナー歯科矯正などにおいてアドバンテージが見いだされ,自費診療で活用され始めている.さらに,今後のIOSの保険収載を見越して,多くの歯科医院が導入を検討していると考えられる. しかし,IOSは導入してすぐに使いこなせる機器ではない.筆者も,その導入当初は「IOSを用いてどのように印象採得すればいいのか?」「印象採得後のスキャンデータは,どのようなデータであればよいのか?」がわからず,途方に暮れた.考えてみれば,印象材を用いたアナログな印象採得や石膏模型製作とは異なり,大学教育でIOSによる印象採得を学んでいないのだから仕方のないことである.そして,IOSに関する実践的な教育は,おおよそメーカー主催の講演会やセミナーなど限られており,また,成書も少ないのが現状である. そのような現状をかんがみて,2021年12月,クインテッセンス出版から「とことんIOS─見て学ぶ 誰でも速くキレイに撮れる口腔内スキャナー」と題した書籍を,歯科技工士の片野潤氏と筆者との共著で上梓した1. 本稿では,同書のなかから,IOSの機種を問わずに実践可能で,高精度なスキャンデータが得られるデジタル印象採得法“3 Framework Scan”を紹介し,IOS導入後の読者にお役立ていただきたいと考えている.スマホで動画が見られる!はじめに

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