ザ・クインテッセンス 2022年8月号
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The Successful Concept of Removable Partial Denture in Patient with Periodontitis:How to Preserve and Involve the Fragile Abut-ment Tooth in RPD? Part 1. Prosthodontic Treatment Following Periodontal Management36東京医科歯科大学大学院歯学総合研究科*生体補綴歯科学分野,*1歯周病学分野連絡先:〒113‐8549 東京都文京区湯島1‐5‐45Junichiro Wada, Koji Mizutani, Noriyuki Wakabayashiキーワード: 欠損補綴,支台歯,部分床義歯,歯周治療,咬合性外傷the Quintessence. Vol.41 No.8/2022—1766第1回 補綴治療を前提とした歯周治療第2回 弱体化した支台歯への補綴的アプローチ:前編第3回 弱体化した支台歯への補綴的アプローチ:後編第4回 補綴治療後のフォローアップ今回の内容 残存歯数が多いことは長寿との関連が指摘されている1.歯周炎は歯の欠損の最大の原因であり,患者が罹患した歯周炎が重度であるほど,歯列に欠損を生じるリスクは高いといえる. 一般的には,歯周炎罹患歯を義歯の支台歯に利用すると,支台歯の生存率が低下すると考えられている4~6.一方で,臨床的には,患者の強い希望により重度歯周炎罹患歯を支台歯とした義歯治療によって,支台歯,義歯ともに長期的に維持される場合もある7. 固定性ブリッジによる治療では,徹底した歯周治療の後,歯列全体を1つのブリッジで連結固定することで,重度歯周炎罹患歯の長期的な維持および安定が得られたという報告が散見されるものの2,3,ひとたび一部の支台歯に問題が生じた場合,対応に苦慮するという側面もある.これに対して部分床義歯(パーシャルデンチャー)による治療は,術後のトラブルへの対応がしやすく,義歯を外せば個々の残存歯が独立するため,リコール時の残存歯の評価や清掃も容易である. 歯周炎に罹患した部分歯列欠損患者の補綴処置に和田淳一郎*/水谷幸嗣*1/若林則幸*第1回補綴治療を前提とした歯周治療はじめに特 集 1支台歯をどう守り,どう活用するのか?パーシャルデンチャーパーシャルデンチャーペリオペリオ

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