*福岡県開業 うえだ歯科代表連絡先:〒802‐0084 福岡県北九州市小倉北区香春口1‐13‐1‐2F131第1回 軟組織・インプラント周囲炎・その他に第2回 う蝕治療への応用第3回 歯内療法への応用本稿で解説!第4回 歯周治療・再生療法への応用メアー層によって根管壁の象牙細管が覆われることとなり,これを除去しなければ根管内を可及的に無菌状態にするという目的は達成できない. そこで,スメアー層の除去と機械的拡大を補完する意味で,化学的清掃の併用が必須となる.とくに複根管を有する歯では,根管の水平的な連絡パターンは複雑であるため,化学的清掃の果たす役割は大きい. 本稿では,前述の目的を遂行するための「Er:YAGレーザーの特性を生かした効果的な使用法」を呈示し,直接覆髄への応用,根管洗浄への応用,歯根端切除術に対する有用性を検討してみたい.監修:上田秀朗本連載の執筆者一覧(50音順)青木隆宜河島紘太郎倉富 覚、白土 徹対する応用スマホで動画が見られる!the Quintessence. Vol.41 No.8/2022—1861瀬戸泰介竹中 崇筒井祐介津覇雄三芳賀 剛樋口克彦樋口琢善松木良介力丸哲哉 第1,2回では,「軟組織やインプラント周囲炎」と「う蝕治療」に対するEr:YAGレーザーの使用法について述べた.それらは主としてEr:YAGレーザーがもつHLLT(high level laser therapy;高出力レーザー治療)とLLLT(low level laser therapy;低出力レーザー治療)および硬組織の蒸散作用による効果を応用したものであったが,今回の歯内療法分野におけるEr:YAGレーザーの使用法は,それらとはまったく異なる特性を利用する方法である. 近年,歯髄を保存する意義が再認識され注目を浴びている.歯髄保存療法ではう窩を無菌状態にしたうえで,なおかつ歯髄の損傷を最小限に抑え,感染した歯髄組織だけを除去することが目標となる. また,一般的な根管治療における根管内の清掃は機械的清掃が主体であるが,すべての根管内壁にファイルを接触させることは不可能であることがよく知られている.加えて機械的清掃により生じるスP132,133134,136,138(使い方:P7参照)監修:上田秀朗*執筆:青木隆宜/河島紘太郎/倉富 覚、/津覇雄三/松木良介第3回歯内療法への応用はじめに
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