*福岡県開業 うえだ歯科代表連絡先:〒802‐0084 福岡県北九州市小倉北区香春口1‐13‐1‐2F第1回 軟組織・インプラント周囲炎・その他に第2回 う蝕治療への応用第3回 歯内療法への応用第4回 歯周治療・再生療法への応用本稿で解説!レーザーは非常に有効なツールであると考えている.切開が小さい場合など,通常の器具では困難となる根分岐部のデブライドメント,深い骨欠損底部や骨面の中に入り込んでいる肉芽の除去も,チップの形状やHLLT(high level laser therapy;高出力レーザー治療)の作用によって容易に行うことができる.このようにEr:YAGレーザーは歯周治療の際に,「非外科治療」あるいは「外科治療」を行う場合のどちらにおいても非常に重宝する機器であるといえる. 今回は前回までの基礎知識を応用して,Er:YAGレーザーを用いた歯周治療や再生療法の具体的な使用方法などについて解説していく.監修:上田秀朗本連載の執筆者一覧(50音順)青木隆宜河島紘太郎倉富 覚、白土 徹対する応用P136,138,140,142,144,146(使い方:P7参照)スマホで動画が見られる!the Quintessence. Vol.41 No.9/2022—2131瀬戸泰介竹中 崇筒井祐介津覇雄三芳賀 剛樋口克彦樋口琢善松木良介力丸哲哉監修:上田秀朗*執筆:河島絋太郎/倉富 覚、/瀬戸泰介/津覇雄三/芳賀 剛/樋口琢善/松木良介 本連載では,第1回から第3回までにEr:YAGレーザーのさまざまな作用を説明してきた.そのなかでも歯周治療におけるEr:YAGレーザーの効果は非常に高い. まず第1回で説明したEr:YAGレーザーの軟組織における作用は,不良肉芽の除去や血餅の凝固そして歯周軟組織の治癒促進に用いられる.とくに重度歯周疾患である場合,歯周基本治療などの炎症のコントロールの定着には時間を要するが,Er:YAGレーザーを歯周ポケット内に照射することで,歯肉を早期に引き締まった状態にすることもできる. また,創傷の治癒の考え方では,近年は医科の分野でもそうであるように,切開はできるだけ小さく行うことが主流であり,歯周組織再生療法(以下,再生療法)でも低侵襲に行う場面も増え,そのフラップデザインも変化してきている. 「低侵襲」というキーワードにおいては,Er:YAG135第4回(最終回)歯周治療・再生療法への応用はじめに
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