ザ・クインテッセンス 2022年10月号
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the Quintessence. Vol.41 No.10/2022—227129ABCD3に根尖まで達する骨縁下欠損が認められた症例➡詳細は34ページ〜図A,B ₃に根尖まで達するアタッチメントロスおよび骨吸収,最大PPD14mm,Millerの動揺度3度を認めた症例.6に3度の根分岐部病変が認められた症例➡詳細は41ページ〜図C,D ₆に3度の根分岐部病変,最大PPD6mm,Millerの動揺度1度を認めた症例.1)Hopelessの診断に明確な基準は存在するのか? 「私の歯はどのくらいもちますか?」 患者からよく聞かれる質問である.多くの臨床家と研究者が,歯周炎罹患歯の生存率を予想しようと試み,いくつかの予後判定システムに関する論文が報告されてきた. よく知られているものは,McGuire1~4とKwok & Caton5の予後判定であり,抜歯適応の歯はhope-lessと分類される(図1,2).しかし,どちらの予後判定システムにおいても,hopelessに関する具体的な基準は明記されておらず,あいまいな表現となっている. 歯周病の新分類について解説したSanzら6の論文では,「hopeless teethは根尖付近まで達するアタッチメントロスがあり,過度な動揺が認められる」と記載されている.Beckerら7,8の論文では,hope-lessと予後判定するにあたって,骨喪失,歯周ポケット,根分岐部病変,動揺度などの複数の項目が1. 歯周病におけるhopeless teeth初診時にhopelessと診断された歯の予後を改善する方法は?

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