昨今,天然歯をできるだけ保存する取り組みは,講演会や文献,商業雑誌などで増加の傾向にあると感じる. Cortelliniら1は,歯周組織再生療法(以下,再生療法)でホープレスな歯(図1)の保存を試みた結果,これらの歯の10年生存率は88%であり,多くの歯の動揺度が改善したと報告している.また,再生療法とインプラント治療を比較した場合,生存率は多少減少するが,再生療法を行ったほうが総コストは低かったと述べている.この論文の結論として,再生療法の原理原則を守れば従来の抜歯基準に従う必要は必ずしもなく,ホープレスな歯の予後は変えられる可能性があることを示唆している.筆者らは,そのホープレスな歯を保存するためのオプションとしてPRGFを用いている. 前編(『ザ・クインテッセンス』2022年2月号)2,後編(『ザ・クインテッセンス』2022年5月号)3では,PRGFを用いたGBRや再生療法の症例を提示させていただいたが,PRGFは成長因子やメンブレンとしての役割をもつため,臨床においてさまざまな場面で用いることができ,先生方のアイデア1つでそのバリエーションは多岐にわたると考えている. そのアイデアの1つとして,Rasperini4やZucchelliら5が結合組織を再生療法に応用し,良好な結果を報告している.このことから,筆者らは結合組織にPRGFのF1メンブレンとF2クロット,F2+骨補填材を加えて再生療法に応用する「4LBテクニック」(図2)という方法を考案したので,本稿ではこれらの取り組みを症例とともに提示させていただく.60樋口琢善*1/芳賀 剛*2*1福岡県開業 ひぐちファミリー歯科連絡先:〒820‐0066 福岡県飯塚市幸袋140‐1*2福岡県開業 学研都市歯科・矯正歯科連絡先:〒808‐0131 福岡県北九州市若松区塩屋3‐3‐5Regenerative Therapy with PRGF:Periodontal Regenerative Therapy with PRGF and 4LB Technique to Preserve Hopeless TeethTakuyoshi Higuchi, Takeshi Hagaキーワード: PRGF,歯周組織再生療法,PRP,血小板the Quintessence. Vol.41 No.11/2022—2520はじめにアドバンス編ホープレスな歯を保存させるための,PRGFを用いた歯周組織再生療法と4LBテクニック特 集 2多増殖因子血漿(PRGF)を活用した治療方法再生療法の新しい一手
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