Control of Treatment Time with Accelerated Orthodontics and Aligner Treatmentthe Quintessence. Vol.41 No.11/2022—2569東京都開業 銀座矯正歯科連絡先:〒104‐0061 東京都中央区銀座3‐3‐14‐6FRyo Nakajima, Shinichi Fukazawaキーワード:加速矯正,アライナー矯正,モディファイドコルチコトミー法 大学病院矯正科で専門教育を学んだいわゆる「矯正医」と,一般歯科臨床を主な生業とする歯科医師の行う矯正歯科治療でもっとも差が生じる点は,矯正歯科診断における経験値である.日本矯正歯科学会認定医を取得するためには矯正歯科専門研修期間で5年間臨床に従事し,専従期間内に150症例を経験することが必須とされている.一方で,一般臨床医が矯正歯科を学ぶ機会は,セミナーや矯正学会等に自発的に参加しなければゼロに等しいのではないだろうか. そのような現状に対して,インビザラインを中心としたマウスピース型矯正装置(アライナー)は,マルチブラケット治療に必要とされるような技術の差が矯正医と一般臨床医の間で少ないため,歯科市場に広く受け入れられている.また,アライナー矯正はSNSを通じて一般にも広く認知されてきたが,低コストアライナー(low cost aligner:LCA)と呼ばれる歯科医師の介入を必要としないサービスも行われている. しかしながら,LCA治療では本来の矯正治療の目的である審美と機能の改善という良好な治療結果を得られなかったという患者からの相談や報告が,日本臨床矯正歯科医会などの団体に多数報告されるようになった背景から,日本矯正歯科学会は「公益社団法人日本矯正歯科学会ポジションステートメント:マウスピース型矯正装置による治療に関する見解」を発表し,適正な矯正治療を受けるよう注意を促している. 一方で,「目立たない,痛みが少ない,治療期間が短い,金銭的負担が少ない」といった宣伝文句は患者の矯正治療に対するニーズであり,歯科医師は医療としての安全性を担保しながら,そのような期待に応えなければならない. また,近年の矯正歯科治療においては,より具体的かつ詳細な希望をもって初診相談に来院する患者が増加したように感じる.ガミースマイル,SNS発信の「口ゴボ」,筆者らを驚かせた例では,スマイル時に前歯部歯肉の露出がないことを「逆ガミースマイル」とした相談や,矯正治療による人中の長さやほうれい線に対する変化など,成人矯正を希望す109中嶋 亮/深澤真一1.令和時代の矯正治療の現在特別寄稿加速矯正とアライナー治療による治療期間のコントロール
元のページ ../index.html#7