図1 リピーテッドレストレーションサイクル.歯髄再生治療は,従来一方通行であったこの負の連鎖反応を断ち切ることが期待される.the Quintessence. Vol.41 No.12/2022—271541抜歯辺縁う蝕歯根部破折支台築造補綴修復健全歯抜髄歯髄再生治療う蝕二次う蝕修復物う蝕修復治療リピーテッドレストレーションサイクル髄はこの象牙質の修復にも重要な組織である. 不要な抜髄を回避するために,まずは的確な診査・診断を行い,抜髄が本当に必要かどうかを判断する.また,う蝕除去中,偶発的に露髄したとしても,直接覆髄や生活歯髄切断を行い,露髄面を緊密に封鎖して歯髄の温存を試みる.このように,現在ではあらゆる方法を用いて歯髄の保存に努めている1. これらのことからも,歯髄の役割と重要性は広く認知されている.しかし,それでもすべての歯髄を保存できるわけではなく,保存療法を試みたものの,症状が悪化し,やむなく抜髄に至ることもしばしばである. これまでは歯髄が保存できなかった場合には抜髄し,根管充填を行うしかなかった.一度歯髄を失った歯は負の連鎖反応が開始される.いわゆるリピーテッドレストレーションサイクルのモデルでは,歯のステージは一段階進むことになる.しかし,歯髄再生治療により歯髄を再生することができれば,今まで一方通行でしかなかったこの連鎖反応を遮断することができる(図1). 近年,あらゆる分野でさまざまな組織の再生治療が目覚ましい発展をしてきており,象牙質・歯髄複合体の再生も例外ではない. 現在,歯髄を再生する治療法として広く知られているものはリバスクラリゼーションであろう.これ2.自己歯髄幹細胞移植による歯髄・象牙質再生治療
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