図1図3a 不十分な歯周基本治療.図3d 創面がraw-to-epiの状態.図2図3c 歯肉弁の挫滅が認められる.図3e 術後2年.が不十分であるため,歯肉が引き締まっていない状態で手術に臨んでいることがわかる.そのため,鋭利な切開と適切な剝離ができておらず,歯肉弁の挫滅が認められ,縫合時の歯肉弁の創面もraw-to-epiの状態となっている(図3). これらは一次創傷治癒に対して悪影響を与えるため,不良な治療結果や術後の痛みなどへのリスク因子となる.これらのことからも,再生療法の成功率を上げるためには,歯周基本治療の徹底,フラップデザインの設計,一次創傷治癒のための切開・剝離・縫合,が重要である. 次に再生療法を成功させるための3つのレシピ(ポイント,図4)について解説していく.これらの3つのレシピは再生療法の成功率を上げるだけでなく,術後における患者の痛みや不快症状を軽減させることにも重要である.the Quintessence. Vol.42 No.3/2023—056173術前術後2年デンタルエックス線写真では骨レベルが回復してるように見えるが……症例を振り返ると,「歯周基本治療が不十分」「MTTPの切開が頬側に寄りすぎている」「切開と剝離が鈍的で歯肉が挫滅している」「縫合時の歯肉弁の創面がraw-to-epiの状態である」など,さまざまな問題点があった図3b 粗雑な切開.歯周基本治療が不十分なまま再生療法を行うと……
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