3演者論202文新連載*1マーケティング:本語にはさまざまな定義があり,広義には「顧客の欲求を満たすために企業が行うあらゆる活動の総称」1とされ,具体的には「顧客のニーズを探るための市場調査と分析,それらにもとづく商品企画と開発,開発した商品を知ってもらうための広告宣伝活動,プロモーションなど」1となるようです.本連載では,おもに「歯科医院の広告宣伝活動と集患対策」という意味で,本用語を用いていきます.用語解説the Quintessence. Vol.42 No.3/2023—0603115知識ゼロからはじめる!丸尾勝一郎東京都開業 三軒茶屋マルオ歯科連絡先:〒154‐0004 東京都世田谷区太子堂4‐23‐15‐2F時代)では,歯科医院が行うマーケティングは限られていました.そしをつねに怠らない真面目な歯科医師が多いと思われます.しかし,自院の存在を患者さんに知られていない,あるいは来院される患者さんが少ない状態では,そうして身に着けた技術や知識を十分に振るうことは難しく,そればかりか,その歯科医院の存続をも危うくしてしまいます. 少子高齢化に加え,人口減少が進む日本では今後,患者自体の絶対数が減少することが予想されます.加えて,予防歯科の浸透により,歯科疾患はますます減少していくでしょう.したがって,開業医にとっては集患や増患,すなわちたくさんの人に自分の歯科医院を知ってもらい,来院してもらうことも,臨床と同じくらい重要ではないでしょうか. 本連載は,今やだれもがあたりまえに使用するWeb媒体を活用し,患者さんに向けていかに自分の歯科医院の認知を高め,自院に来てもらうか,そのマーケティング*1の種々の施策を,筆者の現在進行形の経験を交えてお話ししていきます.て,その最良の方法は“歯科医院の存在そのもの”,すなわちその立地や外観にあったと考えられ,それゆえたとえばビルでテナント開業をする場合,視認性に優れる1階の物件を探すことが一般的でした. また,電信柱や駅構内への看板設置,バスの車内ポスター掲示などの広告手段も,今以上に重要なものだったと考えられます.さらに,今はあまり使われなくなっていますが,職業別の電話帳『タウンページ』に自院の情報を掲載するのが効果的だとされた時代もあったようです.このタウンページは五十音順で情報掲載されるので 「“あ”から始まる歯科連載にあたって 本誌読者は勉強熱心で,歯科臨床に対する技術や知識のアップデート以前は“歯科医院そのもの”がその広告塔!? インターネットやスマートフォンのなかったひと昔前(以下,アナログWebを活用して,患者さんに歯科医院を知ってもらおう!第1回 やってみよう! Webマーケティング
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