Movie3演者論202文2022年7,8月号掲載2022年9月号掲載2022年10月号掲載2022年11月号掲載2022年12,1月号掲載2023年2~10月号掲載予定(使い方:P19参照)スマホで動画が見られる!P148,150136歯周治療の標準的な進め方図1 本連載は日本歯周病学会の推奨する“歯周治療の標準的な進め方”に基づいて論を進めていく.今回は歯周外科治療のなかの歯肉弁根尖側移動術をテーマとする.歯周外科治療☜今回the Quintessence. Vol.42 No.5/2023—1096連載切るペリオ編(その1)第4回岩野義弘東京都開業 岩野歯科クリニック連絡先:〒157‐0066 東京都世田谷区成城6‐9‐4‐2F 歯肉弁根尖側移動術は,歯周外科手術の分類(2023年4月号参照)のなかで切除療法として,また歯周形成手術としても位置づけることができ,さらに補綴治療の前処置として行われることもあります.本項ではまず,それらおのおのの歯肉弁根尖側移動術について解説してみます.1)切除療法としての歯肉弁根尖側移動術 歯肉弁根尖側移動術は,歯肉歯槽粘膜病変★1といわれる歯周ポケット底が歯肉歯槽粘膜境を越えて根尖側に位置する状態の改善を目的として行う歯周外科手術の一手法で,1954年にNabersによって考案され1,1962年にFriedman2によって“Apically Repositioned Flap”と名付けられました. 歯肉弁根尖側移動術は当初,Widman法3のように歯肉歯槽粘膜両側に縦切開を加えて全層弁のフルフラップを剥離,翻転しデブライドメント後,歯肉弁を歯槽骨頂に位置づけ,縦切開部を縫合することによって歯周治療を成功に導くエビデンスと臨床手技1.歯周外科手術のなかでの歯肉弁補綴治療の前処置としての歯肉弁根尖側移動術根尖側移動術の位置づけはじめに 本連載における“切るペリオ”すなわち歯周外科手術のなかで,根面被覆術や歯周組織再生療法はややアドバンスな治療法であり,日常臨床における歯周外科で圧倒的に多い治療は,前回解説したフラップ手術や,歯肉弁根尖側移動術ではないかと筆者は考えています. そこで本稿では,とくに日常臨床で遭遇することの多い,補綴治療の前処置としての全層弁および部分層弁を用いた歯肉弁根尖側移動術について解説してみたいと思います(図1).切らないペリオ,切るペリオ
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