*福岡県開業 つは歯科・矯正歯科連絡先:〒803‐0844 福岡県北九州市小倉北区真鶴1‐1‐2*1福岡県開業 あおき歯科クリニック連絡先:〒813‐0016 福岡県福岡市東区香椎浜3‐2‐7*2福岡県開業 くらとみ歯科クリニック連絡先:〒800‐0207 福岡県北九州市小倉南区沼緑町1‐20‐153演者論202文 現在われわれ一般開業医(以下,GP)が行う歯科治療のなかで,もっとも多いのは“う蝕治療”と言っても過言ではない.また,う蝕治療は熟練度にかかわらず卒後1年目から行う処置であり,すべてのGPが行っている処置であるといえる. そのう蝕治療を行うなかで,深在性象牙質に達したう蝕にしばしば遭遇することもあるかと思うが,その際にもっとも悩むのは,「どこまで削ってどこまで残すのか?」だと考えられる. 現在,歯髄保存の基準はあいまいであり,ステップワイズエキスカベーションあるいは直接覆髄を行うのかは,術者個々の診断や技量によって異なり,歯髄を除去する量もあいまいである.その理由として,感染は目で見ることができないため,感染の程度を確定的に診断できないところにある.これは,コロナ禍で見えない敵と闘っている現在の社会と同じで,臨床では感染を目視できないが,われわれと同じく歯髄も細菌と闘っているのである.しかし,たとえ見えない敵であっても健全な歯髄はなるべく残し,大幅な断髄は避けたい.それには術者なりの診断基準および指標をつくって治療を行うべきである. そこで本稿では,歯髄温存療法(以下,VPT)についてステップワイズエキスカベーションと直接覆髄および部分断髄について掘り下げ,診断や術式のポイントを詳しく解説する.加えて,現在,歯髄再生治療が確立されはじめているため,今後の歯髄再生治療への展望についても紹介していく.津覇雄三*/青木隆宜*1/倉富 覚、*2Persuit of Vital Pulp Therapy80Yuzo Tsuha, Takayoshi Aoki, Satoshi Kuratomiキーワード: 歯髄温存療法,ステップワイズエキスカベーション,直接覆髄,部分断髄,歯髄再生治療the Quintessence. Vol.42 No.6/2023—1266はじめに特 集 2歯髄温存療法を適応症と治療のと直接覆髄のステップワイズエキスカベーションステップワイズエキスカベーション実際追求する!
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