a図1a〜c 歯冠側で生じたセメント質剥離に沿って感染が拡大し,限局的な深い歯周ポケットを形成することがあり,垂直性歯根破折との鑑別が困難な場合もある(参考文献1より引用・改変).a:セメント質剥離が生じる前の状態.b:セメント質剥離が生じはじめた状態.c:剥離したセメント質周囲の付着が喪失し,骨吸収まで惹起した状態.図2 歯冠側でセメント質剥離(緑矢印)が生じている抜去歯.セメント質剥離が歯冠側で生じると垂直性歯根破折と誤診しやすいセメント質剥離が根尖側で生じると根尖性歯周炎と誤診しやすい診断を誤ってしまうと本来保存できる歯を抜歯してしまうことも……the Quintessence. Vol.42 No.7/2023—147745セメント質片腫脹・発赤瘻孔より的確な治療を行うために図3a図3b図3a,b セメント質剥離が根尖側で生じると,歯肉の腫脹や瘻孔の形成といった臨床所見を呈し,エックス線的に根尖部周囲の透過像を認めることがある.この場合,根尖性歯周炎との鑑別が困難な場合もある.bc2既知のエビデンスに病理組織学的知見と臨床経験を加えてセメント質剥離の治療戦略を考察する!セメント質剥離は誤診しやすい?
元のページ ../index.html#2