3演者論202文スマホで動画が見られる! 矯正歯科治療はその専門性の高さゆえ,意のままにコントロールできるレベルまで体得するためには,非常に高いハードルを乗り越える必要がある.近年,全顎的な矯正歯科治療に積極的に取り組む一般臨床医(GP)も増えてきたが,相当な努力をされているのだと思う. GPである筆者(渥美)は矯正歯科治療に憧れをもっているが,それを大きく上回る苦手意識ももっている.そのため,2010年の開業時から,基本的に全顎的症例は本稿の共著者である橋本幸治先生にお願いしてきた.一方,大きく歯肉縁上歯質を失った歯の挺出や小規模の傾斜移動など,部分的な矯正歯科治療は自分に可能な限りで行ってきた(図1,2)が,歯科矯正用アンカースクリューを用いるようになって,対処可能な範囲を大きく拡大できたと感じている. 本稿では,筆者のような矯正歯科治療を苦手とするGPが,歯科矯正用アンカースクリューを臨床に取り入れる有用性について解説していきたい.Movieキーワード: 歯科矯正用アンカースクリュー,歯根間距離, safety zone,MTMthe Quintessence. Vol.42 No.7/2023—1496渥美克幸/橋本幸治*埼玉県開業 デンタルクリニックK連絡先:〒332‐0006 埼玉県川口市末広1‐2‐13*東京都開業 飯田橋矯正歯科連絡先:〒162‐0824 東京都新宿区揚場町2‐19‐5FA Way of Clinical Application of Temporary Anchorage Device in General Practice:How to Apply it Safely and EffectivelyKatsuyuki Atsumi, Koji Hashimoto64Dr. 渥美P75(使い方:P19参照)特 集 2歯科矯正用アンカースクリューの一般臨床への活かし方安全かつ効果的に用いるにははじめに
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