ザ・クインテッセンス 2023年8月号
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DDE隣接面EDE咬合面1BAABBAABDEDE[2歳まで]BA AB唇側面[2歳から3歳まで]● 前半A A隣接面● 後半A B隣接面図1 2歳まではⒷAⒶⒷの唇側面,とくに歯頸部がう蝕になりやすい.歯間空隙がない場合は隣接面がう蝕になりやすいので,フロスの指導が必要となる.授乳が長引く場合は,ⒷAⒶⒷの舌側やDⒹの咬合面もう蝕になりやすいので注意する.3歳6か月からは乳臼歯の隣接面がう蝕になりやすいため,臼歯部のフロスが必須となる.[3歳から3歳6か月から][3歳6か月から]小児のエックス線撮影のコツ 「3か月おきに歯医者に行っているのに,急にむし歯ができた」そのような話を聞いたことはありませんか? 乳歯う蝕の好発部位は,年齢により変わってきます(図1)1.3歳頃までは乳前歯の唇側・隣接面や乳臼歯の咬合面にう蝕ができやすく,それらは視診でわかります.しかし,3歳6か月頃からできてくる乳臼歯の隣接面う蝕は,かなり進行したう蝕でない限りは見つけられません.見えないところでう蝕が進行しているのに気づかず,定期検診のたびに「むし歯はありません」とクリーニング,フッ素塗布を繰り返し,ある時急に穴が空いてしまう…….そ年齢による乳歯う蝕の好発部位れでは,保護者の不信につながりかねません.そうならないためには,エックス線検査が重要です(図2).また,正常な永久歯列に導くうえでも,適切なタイミングでパノラマエックス線検査を行い,歯胚を確認しましょう. 小児の上顎前歯部は口蓋も浅く,ホルダーは入りづらいので,大きめのフィルムを使って咬合法で撮影すると患児の負担が少なく,歯根周囲の状態も確認しやすい写真が撮れます(図3).臼歯部は,小さいフィルムでホルダーもしくはスポンジを使って咬the Quintessence. Vol.42 No.8/2023—1771105Q1A1小児のエックス線撮影がうまくいきません.コツってありますか? あと,どのタイミングで撮影するかも迷います.上顎前歯は大きめのフィルム+咬合法での撮影がオススメです.5歳頃に咬翼法でう蝕の検査,小学校低学年にパノラマエックス線写真で歯胚の確認をしましょう.

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