Point3スキャンパスを使いこなそう!Point4歯肉縁下形成した時のスキャニングを習得しよう! 昨今,口腔内スキャナー(以下,IOS)を含めたCAD/CAMシステムは,一般の歯科医院に広く普及し始めている. IOSの使用用途は,本稿のトピックである天然歯への修復処置はもちろんのこと,インプラント治療への使用や,アライナー,スプリント,カウンセリング,多様な診断の一助など,さまざまな分野への応用が行われており,年々その範囲は広がっているように思われる. 本稿では,多用途化してきたIOSの原点に立ち返り,IOSが誕生した当初の目的である天然歯への修復治療に焦点を当て,その精度や治療のポイントを考察していく. IOS使用時のスキャニングの精度を担保するために注意するポイントは複数存在する. 本来,CAD/CAMシステムの構成要素は,①スキャニング,②CAD(computer aided design),③CAM(computer aided manufacturing),④ミリングの4つに大別される.CAD,CAM,ミリングの部分にも精度に直結するさまざまなポイントは存在するが,これらはほとんどラボサイドでの作業となる.本稿ではチェアサイドでの作業であるスキャニング前後の部分に特化して話を進めていきたいと思う. 次頁から,スキャニング時のIOS精度にかかわる4つのポイントについて,症例を交えながら解説していく.the Quintessence. Vol.42 No.9/2023—198367はじめにスキャニング精度のポイント
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