Q&Aで紐解くヨーロッパ歯周病連盟のガイドライン歯周炎ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲを徹底解説第1回3演者論202文 現在では,根拠に基づいた医療(EBM:evidence based medicine)の必要性が叫ばれ,さまざまな国や地域で行われている医療行為の成果が科学的に検証されている.そして,インターネットの普及によって,その検証結果は即座に世界中に報告され,その恩恵として,われわれ歯科医師はつねに最新の情報を簡単に手に入れられるようになった.医療関連学会が報告する治療ガイドラインは,蓄積されたエビデンスに基づいた治療を推奨するたいへん有益なものである. 2019年11月,スペインのLa Granja de San Ilde-fonsoにて,ヨーロッパ歯周病連盟(EFP:European Federation of Periodontology)が中心となり,第16回European Workshop on Periodontologyが開催された.EFPの代表メンバーに加え,さまざまな学術団体およびガイドライン策定の専門家が集まり,2018年に発表された“歯周病およびインプラント周囲組織の疾患と状態に関する新分類”に基づく,“歯周炎ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの診療ガイドライン1”(以下,EFPガイドライン)が策定された.そのEFPガイドラインは,各項目に関連する15本のシステマティックレビュー2~16とともに,2020年7月にJournal of Clinical Periodontologyの特集号として出版された. 本連載では,EFPガイドラインのなかから重要な推奨事項をピックアップし,症例を交えながら解説していく.最新のエビデンスに基づく診療ガイドラインを,読者諸氏が日常臨床に取り入れる一助になれば幸いである.星 嵩*/清水宏康*1*新潟県開業 星歯科医院連絡先:〒946‐0007 新潟県魚沼市四日町19‐2*1東京都開業 清水歯科クリニック銀座連絡先:〒104‐0061 東京都中央区銀座1‐8‐7‐4FExplaining the EFP Clinical Practice Guideline;Treatment of Stage I-III PeriodontitisShu Hoshi, Hiroyasu Shimizu96キーワード: ヨーロッパ歯周病連盟,歯周炎ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ,ガイドラインthe Quintessence. Vol.42 No.9/2023—2012新連載 特別企画EFPの歯周病診療ガイドラインの全体像を把握する日常臨床の疑問に答えます!連載にあたって
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