ザ・クインテッセンス 2023年10月号
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います. さらに,当院ではスタッフそれぞれの強み(≒長所)を活かすことをベースに全員がかかわっています.そのために実例を挙げ,スタッフ全員の前でそれぞれの強みを伝えていきます.「強み」を磨くことに人は比較的抵抗感が少なく積極的になり,その成果は直接クリニックの利益にもつながります.逆に足らずにばかりを追いかけても非生産的で,何より仕事が楽しくなくなります.初めてそれぞれの強みを伝えた時に見たスタッフたちの活き活きとした目を今もはっきりと覚えています. また,強みを生かすにあたり,当然「強くない部分に対してはどうするのか?」となります.そのためには,人(企業)の力を借りることも必要です.筆者の場合,企画力や実行力,発想力は強みとできますが,数字の管理や発信力などは,外部から歯科衛生士指導,チームビルディング,トリートメント~でない安心図1 本来の医療とは,患者さんの「dis(~でない)」+「ease(安心)」である「disease(安心でない状態=疾患)」に対し,病院力をもって「dis」を取り除き,「ease(安心な状態)」にすることである.そのためには「病院力(医院総合力)」を向上させる必要がある.疾患安心でない状態安心な状態the Quintessence. Vol.42 No.10/2023—222975本来の医療とはえでは不可欠なものかもしれません. そのために,重要なのが「チームビルディング」です.チームビルディングのポイントとして,チームの目的を明確にすること,メンバーの役割を明確にすること,院長(または法人)の価値観を明確にし共有することが大切となります. 筆者は日々の診療のなかで,大きなことから些細なことまで感じたことをメモに書き留め,それを綴ったものをまとめ,全スタッフに想いを添えてプレゼンしています.「自分たちが頑張っている方向性がそれでいいのか? 修正が必要なのか?」を不安に思っているスタッフたちに対して,とても効果的なメッセージだと思います. また,ビジョンを語ることもいいかもしれません.たとえば当院では「歯の保存にこだわりたい! まずはこの1年で,昨年比で1割抜歯の本数を減らしたい」といったことを具体的な数値を交えて伝えて本来の医療とは病院力diseasediseaseease

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