Hanae Saito, Teppei Tsukiyamaキーワード:AI,ChatGPT,ChatPDF齋藤花重*/築山鉄平*1*メリーランド大学歯学部高度口腔科学・治療学講座歯周病学科Clinical Associate Professor*1福岡県開業 つきやま歯科医院専門医療クリニック天神*1代表連絡先:〒810‐0041 福岡県福岡市中央区大名1‐14‐8‐2FUse of Artificial Intelligence in Manuscript Preparation:AI as a Co-Author70the Quintessence. Vol.42 No.12/2023—2664 読者の皆様は,ChatGPTをご存知だろうか.2023年3月27日から28日にかけて行われたアンケート調査で,ChatGPTの認知度は4割以下であったが,使用経験者の9割以上が「便利」と回答している(図1)1.歯科関係者でも,文章を書く目的でChatGPTを使ったことのある方は多いのではないだろうか. たとえば筆者の勤務先でも,歯科学生が課題のレポートを作成したり,レジデントや大学院生がliterature review seminarのサマリーを作成したり,歯科医師でも患者への説明資料の作成などで活用している.その活用範囲は,日常的な書類や報告,感想文,作文,原稿執筆などが挙げられるが,今回,とくに原稿としての精度が求められる学術論文の執筆に焦点を絞って検証を行った. 人工知能(AI)の活用は,かつてないほど急速に拡大しており,医療分野も例外ではない.さまざまな活用が提案され無限の可能性が感じられる一方,それにともなう欠点や倫理的問題点には注意を払わなければならない.だからといってネガティブな可能性にひるんでAIの使用を制限,禁止することは現実的とはいえず,日常的な診療行為や執筆活動においては,どのような機能であればより有効活用ができるのか,研究や学術の分野においては不正確な情報が混じらないように,明確なガイドラインの整備が必要と考えられる. 代表的なAIアプリケーションとして,最初に挙げたOpenAIのChatGPT(自然言語処理と機械学習を用いて情報提供するチャットボット機能)が挙げられる.ChatGPTについてはすでに各所で書かれているため,ここでは簡単な説明だけとするが,ディー特 集 3AIが学術論文にもたらすものを検証する臨床医と指導医の立場からはじめにChatGPTで論文執筆は可能か
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