Vestibular Incision Subperiosteal Tunnel Accessスマホで動画が見られる!MovieP57,63,67,71(使い方:P3参照) 読者の皆さんは根面被覆術の一手法であるVISTAテクニックをご存じであろうか.VISTAテクニックは,2011年にZadehにより報告された方法1である.その最初の報告では,可動粘膜内に加えた縦切開からトンネル状に全層弁を形成し,全層弁をスーチャーボンディング(フラップにかけた縫合糸を歯冠側に牽引してコンポジットレジンで歯面に固定する方法)によって歯冠側移動したうえで,縦切開部から再生因子とβ-TCPやコラーゲンメンブレンを挿入,設置し,根面被覆術を行うことが特徴であった. その後,さまざまな術式の改変や応用2,3,長期的な安定性も報告されるようになり4,日本でもVISTAテクニックを用いて根面被覆術を行う臨床家が増えてきている.筆者は,この手法の特徴の1つである“可動粘膜内縦切開からの全層弁”というフラップデザインに大きな魅力を感じており,根面被覆術のみならず,さまざまな治療に応用できると考えている.このフラップデザインには,・切開は可動粘膜に加える縦切開のみ,・縦切開から全層弁を形成する,・全層弁かつ歯肉溝からのアプローチは行わないので,フラップのパーフォレーションや裂開をさせにくい,・血液供給の面で有利,・審美的に目立つ部分には瘢痕ができない,・水平骨膜減張切開をせずにフラップの大きな歯冠側移動が可能,・可動粘膜内縦切開から大きな移植片を挿入できる,という特徴があり,簡便かつ低侵襲,審美的なフSeek the Potential Clinical Application of the Vestibular Incision Subperiosteal Tunnel Access Technique in Periodontal or Implant Therapy54Hideto Masudaキーワード:VISTA,フラップデザイン,スーチャーボンディング,インプラント,即時埋入増田英人大阪府開業 ますだ歯科医院連絡先:〒560‐0011 大阪府豊中市上野西3‐13‐55the Quintessence. Vol.43 No.1/2024—0054特 集 2VISTAテクニックのペリオ・インプラント治療への臨床応用の可能性を探るはじめに
元のページ ../index.html#3