ザ・クインテッセンス 2024年2月号
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Movie デジタル技術の発展により,これまで提供できなかった新しい価値が次々に生まれている.厚生労働省の「医療DX令和ビジョン2030」においても,“国民の健康増進や切れ目のない質の高い医療の提供に向け,医療分野のデジタル化を進め,医療情報の利活用を積極的に推進していくことは非常に重要”と報告している1. 歯科においてはどうだろうか.さまざまなジャンルにおいてデジタル化が進み,多くのチェアサイド,ラボサイドの工程が,デジタルに移行しつつある.その一方で,“デジタルとアナログの融合”という言葉をよく耳にする.インプラント治療をはじめ,精度が非常に重要な分野においてデジタル技術の恩恵は大きく,“フルデジタル”を目指したくなる一方で,アナログ技術も非常に重要と考える.“アナログ=古い”のではない.アナログからデジタルに移行する部分はあっても,すべてが置き換わるわけではなく,工程内で融合しているのである(図A). さらに,デジタルを“ツール”として考え,コンベンショナルなトリートメントワークフローにおいて,どこでどのようにそれらを使うかを把握できれば,全体の流れのなかに融合できる.それが,デジタルトリートメントワークフローといえよう. そこで本稿では,デジタルトリートメントワークフローを意識したインプラント症例の流れを通して,デジタルツールの活用について考えてみたい.山下貴史秋田県開業 山下歯科医院連絡先:〒014‐0023 秋田県大仙市大曲黒瀬町3‐45Takashi Yamashitaキーワード:デジタルトリートメントワークフロー,インプラント治療,フェイシャルスキャンDigital Treatment Workflow to Improve the Precision of Implant Dentistry:The Option and Utilization of Digital Tools for Daily Practice30the Quintessence. Vol.43 No.2/2024—0272(使い方:P3参照)スマホで動画が見られる!P39,45はじめに特 集 1~臨床に役立つデジタルツールの選択と活用~インプラント治療の精度をあげるデジタルトリートメントワークフロー

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