ザ・クインテッセンス 2024年2月号
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水谷幸嗣*1/城戸大輔*2/武田浩平*1/三上理沙子*1/岩田隆紀*1*1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野*2東京医科歯科大学病院歯科総合診療科連絡先:〒113‐8510 文京区湯島1‐5‐45The Path to Understanding the Relationship between Diabetes and Periodontal Disease Part 1. Learning from Diabetes Pathophysiology for Periodontitis50Koji Mizutani, Daisuke Kido, Kohei Takeda, Risako Mikami, Takanori Iwataキーワード:糖尿病,歯周病the Quintessence. Vol.43 No.2/2024—0292今,あらためて知っておきたい特 集 2超執筆にあたって 糖尿病は,歯科治療時の易感染性への注意など,日常的に歯科医療従事者が接することが多く,知識が入ってきやすい内科疾患の1つです.とくに,歯周病と糖尿病の関連は科学的根拠に基づき明らかにされ,医科領域からもそのコンセンサスが得られています.しかし,その病態をあらためて見直してみると,わかったつもりになっていたことがたくさんあると気づかされます.そこで本連載前編では,まず“糖尿病とはどういう病気なのか?”という原点から振り返り,その知識のおさらいをします. そのうえで後編では,その病態メカニズムに基づいて,糖尿病患者の歯周病に有効性が高いと考えられるアプローチを検証していきます.現在,糖尿病患者の進行した歯周炎に対する有効性の高いアプローチは十分には明確にはなっていません.歯周治療における近年のMinimally Invasive(MI)コンセプトは,低侵襲での治療が求められる糖尿病患者に適しています.抗菌治療やEr:YAGレーザー治療,マイクロサージェリーでの再生療法などの臨床例を最新のエビデンスに基づき解説していきます. 本連載をとおして,日本で増加している糖尿病患者(1,000万人,予備軍を入れると2,100万人)に対して,“歯科医療は何ができるのか?”を読者の皆様に考えていただくきっかけとなれば幸いです.(水谷)前編:糖尿病の病態を整理する糖尿病と歯周病の深い関係,糖尿病と歯周病の深い関係,解説!

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