ザ・クインテッセンス 2024年3月号
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Movie(使い方:P3参照)スマホで動画が見られる!P27,33When, What, and How Should We Ensure Healthy Permanent Dentition in Pediatric Dentistry?24権 暁成東京都開業 K DENTAL CLINIC連絡先:〒125‐0061 東京都葛飾区亀有3‐17‐2‐1FHyosong Kwonキーワード:小児への対応,口腔機能,萌出時期 筆者は2006年に昭和大学歯学部を卒業後,千葉県旭市にある総合病院国保旭中央病院にて初期研修を含め4年勤務し,その後は茨城県鹿嶋市にあるタナカ歯科医院に勤務させていただくことにになった.当初は,2,3年ほど勉強させていただいた後に都内で勤務することを考えていたが,気がついたら6年半勤務していた.小児歯科の楽しさに夢中になった結果である.その後,2016年に東京都葛飾区にて開業し,現在に至る. 昭和30年代以降に「う蝕の洪水状態」とよばれた時代があったが,12歳児のう蝕の数は1993(平成5)年の4.09本から2019(令和元)年の0.70本にまで大きく減少した.現在の保護者のニーズは,う蝕治療などの急性期症状への対応よりも,長期的な視野で子どもたちの口腔内を診ていくことにある.筆者自身も,日々の診療において,「先を見据えてもっと早い時期に介入していれば,より良い口腔環境を整えることができたのに……」と思うことがある. 日々,心身ともに成長し,変化している小児においては,その成長発育が正常な方向に進んでいるのか,何かしらの問題を起こしていないかを長期的な視点で診ていくことは重要である.本特集では,小児患者への対応のコツとあわせて,子どもたちを健全な永久歯列に導くという観点から,筆者が日々の臨床で,いつ,なにを診て(チェックして)いるのかをご紹介する.加えて,問題の早期発見とともに,いたずらに「経過観察」とはせずに,ときには「積極的な介入」を行うことが患児に大きなベネフィットをもたらすため,乳歯列期から永久歯列期までに起こるさまざまな問題への対応法および筆者が考える介入のタイミングについて述べたいと思う.なお,乳歯萌出前後~乳歯列期を前編として本号に,永久歯萌出期~混合歯列期~永久歯列完成を後編として4月号に掲載する.the Quintessence. Vol.43 No.3/2024—0492特 集 1健全な永久歯列完成のために,このとき,ここを診る,これをやるはじめに前編

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