00Ii,ncdence(per 100000 pys)‐ 有病率‐ 罹患率罹患率中年期有病率 中年期というライフステージは,全身疾患,成人病といわれる生活習慣病の好発年齢でもある.2014年のJournal of Dental Researchに掲載されている世界各国の平均データ1からもわかるように,重度歯周炎の有病率と罹患率がもっとも高いのが,約35歳から65歳ぐらいの中年期である.この時期に適切に治療介入することが非常に重要となる. 患者の生活背景を考慮しながらどのようにアプローチしたのかを症例提示している.治療介入のタイミングは正しかったのか,メインテナンスのポイント,今後のライフステージへ向けてどのようなことを注意していくのかについて考察. 重度歯周炎の有病率と罹患率がもっとも高くなる中年期.今回は,根分岐部病変の程度による長期予後,歯周病とリウマチとの関連性,SPTの効果についての文献を紹介していく.30%20%10%0%参考文献1. Kassebaum NJ, Bernabé E, Dahiya M, Bhandari B, Murray CJ, Marcenes W. Global burden of severe periodontitis in 1990‐2010:a systematic review and meta-regression. J Dent Res. 2014 Nov;93(11):1045‐53.the Quintessence. Vol.43 No.3/2024—0511参考文献1より引用・改変.2040年齢603,0002,0001,00080Literature Review ❶重度歯周炎の有病率と罹患率1斎田寛之工藤 求 本連載の第2回のテーマは“中年期”であり,明確な基準があるわけではないが,本連載では患者年齢を40~65歳としている.歯科疾患実態調査によれば,4mm以上の歯周ポケットの保有率は45歳以上で過半数を占めているといわれており,歯周病の罹患率が一気に上がる世代である. 中年期では,働き盛りかつ子育てが始まることも多く,場合によっては親の介護が始まることも珍しくない世代といえる.また,さまざまな意味でも責任をともない,自身の健康よりも重要だと感じる要素が増加し,口腔への関心が低くなり,加えて大きな病を経験することが増える世代でもある. さまざまな生活環境,社会背景をもつこの世代の歯周病患者に焦点を当て,この世代がもつ歯周病患者の特徴,見るべきポイント,そして“高齢期”“老年期・フレイル期”に向けた歯周病治療のポイントなどについて,この世代特有の症例を提示し,深掘りしていく.さらに第1回に続き,今わかっている最新文献についても解説していく.43水上哲也先生による特別寄稿(56ページ~) 歯周炎の有病率,発症率が高い中年期患者への的確な治療介入のポイントを解説していただく.とくにインプラント治療,歯周組織再生療法の高度なテクニックは圧巻である.LiteratureReviewはじめに2つの症例報告(44ページ~)中年期の歯周病に関するQ&A(55ページ) 中年期における歯周治療ではどのようなことを意識して対応していくのか,またSPTの説明のタイミングなどについて具体的に回答していく.Contents本稿に掲載する4つのコンテンツ!
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