大阪府開業 DENTAL OFFICE OTANI連絡先:〒530‐0012 大阪府大阪市北区芝田2‐2‐1‐3FTakafumi Otaniキーワード: オーバーレイ,咬頭被覆,接着性修復装置 前回(2月号)においては,オーバーレイのメリット・デメリットや,予後などについて概要を解説した.今回は,オーバーレイをどのような症例に対して応用することが可能なのか,適応症について考察していきたい. オーバーレイの適応症例を端的に言い表すと,「クラウンが装着されていない咬頭被覆が必要なすべての症例」であると筆者は考えている.もちろん,すでにクラウンが装着されていれば,再度クラウンにて補綴治療をせざるを得ないが,インレー,オンレーなどの部分被覆冠が装着されており,二次う蝕などで治療が必要な症例においては,残存歯質の機械的強度などの観点から咬頭被覆が必要であれば,従来のようにクラウンにするのではなく,オーバーレイによる修復が可能である. また,根管治療後に咬頭被覆を行うことが望ましいことは前回で触れたが,その際にもオーバーレイによる咬頭被覆が第一選択ではないかと筆者は考える.ただし,咬合面に限局した小さなアクセスキャビティのみで根管治療を行うような症例においては,コンポジットレジンなどによる直接修復が適切なケースもある. 筆者は,実際に表1のような症例においてオーバーレイを適用することが多く,それぞれについて症例を交えながら解説していきたい. う蝕や既存の修復装置を除去後,残存する健全歯質が薄くなってしまう症例は日々の臨床でよく経験the Quintessence. Vol.43 No.4/2024—0788はじめにどのような症例がオーバーレイの適応となるのか?大谷恭史連載目次(予定) 第1回(2月号) オーバーレイ概論 ▶第2回(4月号) オーバーレイの適応症例 第3回(6月号) オーバーレイの心臓部“接着” 第4回(8月号) オーバーレイの形成・印象 第5回(10月号) オーバーレイの装着・仕上げ Protect Teeth with OverlaysPart2. Indication of Overlays94隔月連載1)う蝕除去後に残存歯質が薄くなり,将来的な歯質の破折が懸念される症例適応症例オーバーレイで歯を守ろう第2回オーバーレイの
元のページ ../index.html#7