ザ・クインテッセンス 2024年4月号
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Q&Aで紐解くヨーロッパ歯周病連盟のガイドライン歯周炎ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲを徹底解説第8回QA執筆:神成貴夫*監修:清水宏康*1/星 嵩*2*東京都開業 あおぞら歯科連絡先:〒136‐0072 東京都江東区大島8‐23‐5‐1F*1東京都開業 清水歯科クリニックGINZA*2新潟県開業 星歯科医院図1 詳細については第1回(『ザ・クインテッセンス』2023年9月号)を参照いただきたい.連載の企画趣旨:2019年にヨーロッパ歯周病連盟(EFP)が中心となり,ワークショップが開催された.そこで“歯周炎ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの診療ガイドライン”が策定され,本連載ではそのなかから重要な推奨事項をピックアップし,症例を交えながら解説していく. 歯周病が進行すると,深い歯周ポケットと骨縁下欠損が生じ,骨縁下欠損部は1~3壁の骨壁に囲まれる1.非外科治療であるSRP(スケーリング・ルートプレーニング)は歯周ポケットとBOP(プロービング時の出血)の減少に有効であるが2,治療の効果には限界があり,臨床上では深い歯周ポケットが残存することが多々ある. また,骨縁下欠損は歯周病が悪化するリスクを高めるため,外科的介入が必要であると考えられている3.「従来のアクセスフラップ(OFD:open flap debridement)と比較し,歯周組織再生療法がどれぐらい有益であるのか?」「骨補填材,成長因子などの材料において,適切な選択は何か?」そして,「Papilla Preservation Technique(PPT)」など,歯間乳頭を保存するフラップデザインも歯周組織再生療法を語るうえでトピックになっている. 本稿では,これらについてEFP(ヨーロッパ歯周病連盟)のガイドライン4を通して解説していく.the Quintessence. Vol.43 No.4/2024—0805111本連載で解説するEFPガイドラインの見かた(例)設問答え推奨の強さ歯肉の炎症をコントロールするための口腔衛生指導を,サポーティブペリオドンタルケアを含む歯周治療の全ステップで実施することを推奨する5.歯周治療の各ステップにおいて,適切な口腔衛生指導は何か?Grade A↑↑Strong Consensus(>95%同意)Supporting literatureコンセンサスの強さ連載歯周組織再生療法①(骨縁下欠損)はじめに日常臨床の疑問に答えます!

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