スマホで動画が見られる!P65,70Movie(使い方:P3参照)The Challenging for Papilla Reconstruction54Masateru Anzaiキーワード: 歯間乳頭再建,歯間乳頭再建のディシジョンツリー,マフラーテクニック安斉昌照神奈川県開業 あんざい歯科医院連絡先:〒252‐0314 神奈川県相模原市南区南台3‐20‐1the Quintessence. Vol.43 No.5/2024—0946 われわれ歯科医師が審美修復を行う際に直面する問題として,軟組織の位置や形態が挙げられる.Kokichらは,われわれ歯科医師と患者の審美的着眼点が異なることから,歯肉,歯冠形態,さらに歯間乳頭の高さの左右対称性に少しの差が存在していても,患者には許容されることがあることを示唆している1. しかしながら,歯間乳頭の欠損による“ブラックトライアングル”の出現は,著しく審美性を損ない,さらには発音障害等を引き起こしてしまう可能性がある.ブラックトライアングルがない長いコンタクトを有する歯冠形態と,ブラックトライアングルを有する理想的な歯冠形態を比較した調査では,92%の割合でブラックトライアングルがないものが患者に好まれ,そのなかでも歯間乳頭があると好ましいと回答した割合は70%であった(図1)2.さらに,low gingival smile line(口唇が上顎前歯の一部を被覆している状態)患者において,最大の笑顔になった時に歯間乳頭が視認できる割合は91%であることから(図2)3,審美エリアでは歯間乳頭の重要性が高いといえる. 本稿では,審美性において重要となる歯間乳頭を再建するための術式について,筆者が考案したディシジョンツリーならびに新テクニックを紹介,解説したい.特 集 2はじめに─歯間乳頭の重要性─結合組織を三次元的にポジショニングするマフラーテクニック歯間乳頭再建への新たな挑戦
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