ブラックトライアングルの出現が審美性に与える影響ブラックトライアングルの有無歯間乳頭の視認Low gingival smile line患者における歯間乳頭の視認性the Quintessence. Vol.43 No.5/2024—094755布されており,とても脆弱な組織である(図3).そのため,乱暴な歯肉圧排や歯周炎による歯周組織の炎症によって,容易に退縮が起こることがある.また,歯間乳頭は組織学的に歯冠の間に存在することから,歯冠形態に依存した形態である. その歯間乳頭は,gingival angle(歯間乳頭の頂点92%91%70%図1 92%の患者がブラックトライアングルを視認できない状態が望ましいとしている一方,歯間乳頭が一部でも視認できている状態が,より審美性が高いと回答した患者は70%であった(参考文献2から引用,改変).18%図2 Low gingival smile line の患者において,91%近くの割合で歯間乳頭が一部視認できた(参考文献3から引用,改変).1.歯間乳頭のバイオロジー1)歯周組織と歯間乳頭の関連 歯間乳頭は非角化重層扁平上皮で形成され,歯肉側,歯根膜,さらに骨面からの毛細血管にて栄養分
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