任 剛一*/五十嵐祐二*1/髙井基普*2*東京都開業 オーラルデザイン下北沢・矯正歯科連絡先:〒155‐0031 東京都世田谷区北沢2‐21‐26‐1F*1東京都開業 五十嵐歯科室連絡先:〒160‐0023 東京都新宿区西新宿1‐5‐11‐9F*2東京都開業 プレミアムデンタルケア恵比寿・代官山連絡先:〒150‐0021 東京都渋谷区恵比寿西1‐22‐5Basic Concept of Orthodontic Treatment:the Comparative Discussion of Braces and Clear AlignersPart 3. The Difference of Treatment Planning Between Traditional Braces and Clear Aligners(Chapter1)髙井(司会) 診断編(第2回)でも触れましたが,一般歯科医(GP)が矯正専門医に学びたいことの1つが,“抜歯か非抜歯か”の判断だと思います.これは,スペースマネージメントの一環としての話になりま第3回ワイヤー矯正とアライナー矯正の治療計画における違い(その1)Goichi Nin, Yuji Igarashi, Motohiro Takaiキーワード: ワイヤー矯正,アライナー矯正,デジタルデザイニング,抜歯・非抜歯120the Quintessence. Vol.43 No.5/2024—1012 矯正歯科治療(以下“矯正治療”と表記)におけるワイヤー矯正治療(以下“ワイヤー矯正”)と,アライナー矯正治療(以下“アライナー矯正”)を比較,検証し,それぞれの特色を生かしたメソッドの検証を目指す本連載.連載第2回では,それぞれの診断面を掘り下げた.連載第3回目となる今回は,それぞれの治療計画の特徴およびその違いについて掘り下げて論じていく(髙井基普).す.まずは,五十嵐先生がまとめられたスペースマネージメントの図1を提示させていただきます. GPとしてまず私が思うのは,「抜歯しなくてすむのなら,それに越したことはない」ということです.むしろ,「もし他の歯が抜歯になったときにどうなるのか」ということを,現状の口腔内環境や予後が不安な失活歯の存在などから,まず考察するべきです.長期的なフォローアップを見据え,スペースマネージメントだけではなく,多角的に判断をしておかなくてはいけないと思います.患者独自の複雑な事情も含めて,任先生は抜歯の判断の基準についてどうお考えですか.任 ワイヤー矯正において抜歯を選択せざるをえない症例は,まずは“前歯を大きく後退させる必要のある症例”,次に“叢生が強くスペースが足りない症例”,そして“骨格的な上下顎骨のサイズの不調和を外科的ではなく歯性で改善するために片顎や片側抜歯を選択する場合”,となります.審美の側面も含めて考えれば,上顎前歯の適正なポジションをはじめに抜歯・非抜歯の相違隔 月 連 載矯正歯科治療のグランドビジョンワイヤー矯正とアライナー矯正の比較検証
元のページ ../index.html#8