ザ・クインテッセンス 2024年6月号
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The Path to Understanding the Relationship between Diabetes and Periodontal Disease Part 2. Successful Minimally Invasive Periodontal Approach in Patients with Diabetes56Koji Mizutani, Kohei Takeda, Daisuke Kido, Risako Mikami, Natsumi Saito, Takanori Iwataキーワード:糖尿病,歯周病水谷幸嗣*1/武田浩平*1,2/城戸大輔*3/三上理沙子*1/齋藤夏実*1/岩田隆紀*1*1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野*2東桜デンタルクリニック*3東京医科歯科大学病院歯科総合診療科連絡先:〒113‐8549 文京区湯島1‐5‐45the Quintessence. Vol.43 No.6/2024—1166特 集 2超執筆にあたって 糖尿病は,歯科治療時の易感染性への注意など,日常的に歯科医療従事者が接することが多く,知識が入ってきやすい内科疾患の1つです.とくに,歯周病と糖尿病の関連は科学的根拠に基づき明らかにされ,医科領域からもそのコンセンサスが得られています.しかし,その病態をあらためて見直してみると,わかったつもりになっていたことがたくさんあることに気づかされます.そこで本連載前編(2024年2月号)では,まず,“糖尿病とはどういう病気なのか?”という原点から振り返り,その知識のおさらいをしました. 後編となる今回は,その病態メカニズムに基づいて,糖尿病に罹患している場合に有効性が高いと考えられる歯周治療を検証していきます.現在,糖尿病をもつ患者(以下,糖尿病患者)の進行した歯周炎に対する有効性の高いアプローチは十分には明確になっていません.歯周治療における近年のMinimally Invasive(MI)コンセプトは,低侵襲での治療が求められる糖尿病患者に適しています.抗菌治療やEr:YAGレーザー治療,マイクロサージェリーでの再生療法などの臨床例を最新のエビデンスに基づき解説していきます. 本連載をとおして,日本で増加している糖尿病の罹患者(1,000万人,予備軍を入れると2,100万人)に対して,“歯科医療は何ができるのか?”を読者の皆様に考えていただくきっかけとなれば幸いです.(水谷)今,あらためて知っておきたい後編:低侵襲アプローチで成功させる   歯周治療糖尿病と歯周病の深い関係,糖尿病と歯周病の深い関係,解説!

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