*愛知県開業 名古屋RD歯科クリニック連絡先:〒450‐0002 愛知県名古屋市中村区名駅3‐25‐3‐11F*1福岡県開業 まつき歯科医院連絡先:〒822‐0026 福岡県直方市津田町8‐24*2兵庫県開業 RD歯科クリニック連絡先:〒650‐0047 兵庫県神戸市中央区港島南町1‐3‐1‐4F*3兵庫県開業 福山デンタルクリニック連絡先:〒658‐0011 兵庫県神戸市東灘区森南町1‐10‐2‐102田中宏幸*/松木良介*1/中島美砂子*2/福山房之助*2,3Hiroyuki Tanaka, Ryosuke Matsuki, Misako Nakashima, Fusanosuke Fukuyamaキーワード: 歯髄幹細胞,歯髄再生治療,感染根管Pulp Regenerative Cell Therapy Harnessing Autologous Dental Pulp Stem Cells(DPSCs)86 現在,厚生労働省へ再生医療等提供計画を提出している「自己歯髄幹細胞による歯髄再生治療」は,抜髄が必要な不可逆性歯髄炎に加え,根尖性歯周炎も適応となっている1,2.これにより,ほぼすべての根管に対して本治療を行うことが可能となった. しかし,第2報(本誌2023年7月号)でも述べたように,歯髄再生治療においてもっとも大切なことは,根管内を無菌化する(菌が検出されない状態にする)ことである.感染根管治療においては,根管内充填物,複雑な根管形態,および石灰化根管などが起炎因子の除去の障壁となる場合が多く,根管内の無菌化も困難となる. 本治療は臨床応用を開始して数年が経過しており,さまざまな感染根管歯に対しても治療が行われるようになった.そこで本稿では,感染根管に対する歯髄再生治療について症例を供覧していきたい. 患者は44歳,女性.5年前に自転車で転倒し,₁が破折.前医にて,根管治療後,ジルコニアクラウンを装着.₁は失活し,根管治療後にコンポジットレジン修復をしたとのことであった. 治療後から歯がなくなる夢をよく見るようになり,なんとか神経を戻せないか検索していたところ,当院のホームページをみて来院.the Quintessence. Vol.43 No.6/2024—1196特 集 3歯髄はじめに症例1(田中症例1)第3報:感染根管に対するアプローチ再生治療
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