50the Quintessence. Vol.43 No.8/2024—1628 多くの歯科医師は,「全部床義歯に与える咬合は,天然歯や固定性補綴装置の咬合とは異なり,両側性平衡咬合を付与することが望ましい」と教わっていると考えられる. そして,その咬合様式については,フルバランストオクルージョンかリンガライズドオクルージョンのどちらを選択するかという論点で語られることが多いが,本当にその2つの選択肢から選ぶだけで十分なのだろうか? 本稿では,全部床義歯の“咬合”について,2回に分けて再考したい.前編となる今回は,全部床義歯における咬合の役割とその重要性,現在主流の咬合様式について整理してみたい.松田謙一Re-entry the Occlusion in Complete DenturesKenichi Matsuda大阪府開業 ハイライフ大阪梅田歯科医院連絡先:〒530‐0001 大阪府大阪市北区梅田2‐6‐20‐2Fキーワード:全部床義歯,咬合,咬合様式,フルバランストオクルージョン,リンガライズドオクルージョン特 集 2前編咬合の役割とは? 咬合様式を整理するはじめに再入門!における全部床義歯“咬合”
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